| Vol053 式の計算 式の因数分解5 平方根 2008年3月15日
前号では、比較的難しい因数分解の問題をやりました。 今回も引き続き、問題のパターンに慣れるため、何問かやります。 その前に、因数分解の解法のポイントを復習しましょう。
1、1種類の文字だけがある多項式は、まず、たすきがけ。 2、複数の文字がある場合 ・1つの文字に着目して、式をまとめる。そして、たすきがけ。 ・共通項でくくる。 ・展開の式を予想する。(覚えた公式の形かを確認する) ・いくつかの単項式をピックアップして、その多項式を因数分解
問題6 次の式を因数分解しなさい。

(1)解答 この形は、たすきがけの方法で解きましょう。
x
の前の係数は、マイナス(−32のこと)で、数の項はマイナス(−16のこと)なので、 因数分解した結果が(ax+b)(cx+d)とすると、
bとdのどちらかはマイナスで、マイナスの方は、絶対値が一方より、大きくなります。
つまり、b<0とすると、bの絶対値>dとなるように、bとdを考えます。 そうしないと、x
の係数がプラスになってしまうからです。これは題意に合いません。
さて、かけて20になる2つの整数は、1と20、2と10、4と5の場合しかありません。 次に、かけて、−16になる2つの整数は、1と−16、2と−8、4と−4となります。
※1と−16、2と−8は、bの絶対値>dとなるように、bとdを考えてます。
全てのたすきがけのパターンをやれば、必ず正解に結びつきますが、 ここでは、正解の一部を載せます。この他にも、違うパターンがあります。自分でやってみましょう。 もちろん、最終的な答えは同じになります。

よって、問題の式は、(10x+4)(2x−4)となりますが、 共通因数は、外に出すので、
(10x+4)=2(5x+2) (2x−4)=2(x−2)
よって、(10x+4)(2x−4)=4(5x+2)(x−2)
答え:4(5x+2)(x−2)
(2)解答 この形は、文字が3つありますが、このようなときは、まず、1つの文字に着目してみます。 特に、x
が、2乗の形なので、x について以下のように整理します。

ここで、右の( )の中が因数分解できそうなので、できるか確認します。 因数分解できれば、さらなる因数分解ができそうです。
( )内は、yに着目して、たすきがけを行ってます。
 よって、

ここで、この式を今度は、x
に着目して、たすきがけを行います。
−2(5y+7z)は、係数がマイナスで、(2y+3z)(4y+5z)の係数はプラスなので、 −(2y+3z)と−(4y+5z)として、因数を考えます。
よって、

よって、さらに因数分解できるので、

答え:(3x−4y−5z)(x−2y−3z)
(3)解答 この形をよく見ると、xの3乗で始まって、zの3乗で終わっています。 しかも、xの2乗、yの2乗、zの2乗の形もあり、xyzの形もあります。 これは、多項式の3乗の形ではないかと推測できます。
 ※a、b、cは係数
問題の形と比べると、形が全く同じであることが分かります。 (入試問題では、多項式の累乗は3乗の形が限界と思われます。理由は解くのに時間がかるからです。 ということは、3乗の形は、上記の基本形の展開がメインとみてよいと思います)
問題の式の形となるように、a、b、cの値が決まれば、多項式の3乗の形の因数分解となります。





となり、問題の式と一致します。よって、


(4)解答 因数分解の基本である、「共通項でくくる」という作業をしてみます。 問題の式は、全ての単項式に、a
が含まれているので、まず、これでくくります。

ここで、( )内の式を、共通項でくくってみます。
前から順番に、3つずつの単項式でまとめていくと、
ad−ae−af=a(d−e−f) −bd+be+bf=−b(d−e−f) cd−ce−cf=c(d−e−f)
従って、( )内は、
ad−ae−af−bd+be+bf+cd−ce−cf=a(d−e−f)−b(d−e−f)+c(d−e−f)
さらに、(d−e−f)が共通項となるので、
a(d−e−f)−b(d−e−f)+c(d−e−f)=(a+b+c)(d−e−f)
よって、問題の式は、a(a+b+c)(d−e−f)
答え:a(a+b+c)(d−e−f)
(5)解答 単項式の数は、9あります。これも(4)と同様、まず、共通項で、くくれないかを考えます。
 くくれます。(わかりやすいように色分けしてます)

それぞれは、矢印のように因数分解されます。

(x−2y−z)という共通項があるので、それで、くくって

因数分解ができたということで、ここで終わってはいけません。

足して、−20、かけて、25になるのは、数だけの項はともにマイナスであり、 探るまでもないでしょう。

よって、



(6)解答 xの4乗から、1つずつ次数が減って、最後は整数となっています。 この形で、因数分解できるということは、下記の形に因数分解されることが予想できます。 問題の式は整数だけの項である
9 があるので、両方の( )内に文字式でない整数だけの項がある 必要があります。bとdがそれにあたります。(a、cも整数) 片方の( )内だけだと、展開した後、整数の項はあり得ません。また、
 ax、cxがそれにあたります。これがないと、xの3乗の形ができません。

これを展開すると、まさに問題の式の形となります。

これ以外に、下記のような展開式もあり得るのではと思うかもしれませんが、


展開してみるとわかりますが、問題の式とはなり得ません。a
から d の値が設定できないことが わかります。自分で展開して試してみてください。
さて、問題の式の文字の係数(文字の前の数)より、
@、a+c=−4 A、b+d+ac=12 B、ad+bc=−16 C、bd=16
上記の4つの等式を満足する、a、b、c、dが得られれば、

bd=16より、次の3つのパターンが考えられます。
1、b=1、d=16 2、b=2、d=8 3、b=4、d=4
1のパターンの場合 Aのb、dに代入して、ac=−5、また、@により、 a=−c−4 これを、ac=−5に代入すると、−(c+4)c=−5
となる。これを満たす c は、1、または−5
c=1とすると、a=−c−4より、a=−5 ここで、ad+bc=−5×16+1×1=−79となり、Bの、ad+bc=−16と矛盾します。
c=−5とすると、a=−c−4より、a=1 ここで、ad+bc=1×16+1×−5=11となり、これもBの、ad+bc=−16と矛盾します。 よって、このパターンは不適当
2のパターンの場合 Aのb、dに代入して、ac=2、また、@により、 a=−c−4 これを、ac=2に代入すると、−(c+4)c=2となる。 2の約数は、1と2自身しかなく、cを、1、または−1とすると、 −(c+4)c=2となりません。 cを、2、または−2としても、−(c+4)c=2となりません。 よって、このパターンは不適当です。
3のパターンの場合 Aのb、dに代入して、ac=4、また、@により、 a=−c−4 これを、ac=4に代入すると、−(c+4)c=4
となる。4の約数の中で、 これを満たす c は、−2
このとき、a=−c−4 より、a=−2、すると、a=−2、b=4、c=−2、d=4は、 Bも満たすので、この値で、因数分解できます。よって、問題の式は、


(7)解答 解法のポイントは、単項式をピックアップして、因数分解できそうな多項式をつくります。
問題の式の赤の部分の単項式に注目してください。

赤の部分をまとめると、

これは、たすきがけは省略しますが、−4(x+y)(2x+y)と因数分解できます。
すると、問題の式は、

となります。
さて、ここで、さらに因数分解できるものはないか、考えます。 共通項があるもので、くくってみます。青と赤の多項式にわけてみると、

共通項でくくって、次のようになります。

さらに、青は( )内が因数分解できて、

青、赤、黒の式それぞれが、(x+y)を因数にもっているので、(x+y)でくくって、

さらに、後ろのかっこ内は、x
についてまとめると、これも因数分解できそうです。

たすきがけで調べます。

よって、{ }内は、
(−3x−4)(−x+y+4)=-1(3x+4)×−1(x−y−4)=(3x+4)(x−y−4)
従って、問題の式は、以下のように因数分解されます。
(3x+4)(x−y−4)(x+y)
答え:(3x+4)(x−y−4)(x+y)
平方根
以前に発行したメルマガで、まず復習をしてください。
Vol022 2007年5月31日
問題1 次の数の平方根を求めなさい。
(1) 81
 (3) 0.64 (4) 0.0025 (5) −36
問題2 次の数の平方根を根号(√)を用いて表しなさい。
(1) 11 (2) 0.056 (3) 3x (x≧0)

次回は、引き続き、平方根です。
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