| Vol004 最小公倍数・最大公約数 2007年3月3日
前号(Vol003)の解答、解説を行う予定でしたが、今回は最大公約数、最小公倍数の 解説のみとします。解説が多くなった関係です。次号では、問題の解答を行います。
まず、最大公約数の説明をします。 例えば、Aという整数(ただし0ではない)と、Bという整数(ただし0ではない)があった
場合、Aの約数でもあると同時に、Bの約数でもある整数をAとBの公約数と言い、 公約数の中で、最大の整数を最大公約数と言います。 整数とは?
整数とは、0に1ずつ、足していくか、または、1ずつ引いていくかして得られる数を 言います。 つまり、‥-3、-2、-1、0、1、2、3、‥を整数と言います。
-3、-2、-1のように数字の前にマイナスがついているものを負(ふ)の整数と言い、 3、2、1のように数字の前に何もついていないものを正(せい)の整数と言います。
正の数は、数の前に+が省略されていると考えてください。 では、2つの整数、8と6で、最大公約数の例を見ましょう!
8と6の公約数(正の整数だけ)を全て求めます。整数1から6まで順番に、 公約数かどうか調べていきましょう。
えっ、何故、8まで調べないかって? 7以上の整数は、6の約数になりえません。8と6の、どちらにも約数となる整数を
調べるのですから、小さいほうの6でストップです。 8と6の公約数を小さい順に並べました。
整数 1 -> 8÷1=8、6÷1=6、となり、1は8と6の約数、 つまり公約数であることがわかります。 整数 2 -> 8÷2=4、6÷2=3、となり、2は8と6の約数、
つまり公約数であることがわかります。 整数 3 -> 8÷3=2.66‥、6÷3=2、となり、3は8の約数ではありません。
よって、3は公約数ではありません。 整数 4 -> 8÷4=2、6÷4=1.5、となり、4は6の約数ではありません。
よって、4は公約数ではありません。 整数 5 -> 8÷5=1.6、6÷5=1.2、となり、5は8と6の両方の約数ではありません。
よって、5は公約数ではありません。 整数 6 -> 8÷6=1.33‥、6÷6=1、となり、6は8の約数ではありません。
よって、6は公約数ではありません。 全部調べたところで、8と6の公約数を左から小さい順に並べます。 1、2
上の2つしかありませんでした。最大公約数は公約数の一番大きい数ですから、 8と6の最大公約数は、2となります。 今は2つの整数の最大公約数の例でしたが、もちろん3つの整数でも、4つの整数でも、
とにかく、公約数の最大の数を最大公約数と言います。 もう一度まとめると、最大公約数とは、 2つ以上の整数に、共通な約数を公約数と言い、その公約数の中で、最大の公約数を
最大公約数と言います。 さて、では、どうやって最大公約数を求めるかですが、上の例で、1から順に調べると、 少し数が大きいと時間がかかって大変です。次の方法をとります。
整数が2つの場合 やり方は、共通の約数で、どんどん割っていく方法です。 20と16の最大公約数を求めましょう。 20と16の共通の約数(1ではない)として、まず2で割れるのはすぐに分かるので、
2で割ります。20は2で割って10となり、16は2で割って8となります。 それを下図の様に書きます。---は実際は直線です。単なる境界線です。
2 ) 20 16 ----------- 10 8 次に割った結果の10と8はさらに割れることが分かりますね。つまり、
また、2で割れるわけです。これも、上と同じように割って、書くと下の様になります。 2 ) 20 16 -----------
2 ) 10 8 ----------- 5 4 (←5と4の約数はない) さて、また同じように、割った結果の5と4をさらに割れる数で割ろうと思いますが、
これは、もう共通の約数が1以外にないことがわかりますね。 ここで、共通に割れる数がないので、ストップします。 では、最大公約数はどうやって求めるか? 最大公約数の出し方は、上の図の様に、
共通の割れる数がないところまでやったら、左側の縦の数(割った数)を、 全てかけた数が最大公約数となります。 つまり、上の場合、2と2をかけた数、すなわち2×2=4となり、4が最大公約数と
なります。何故だろう? 上の式から、20と16は、以下の形になることがわかります。 20は下の様に分解されました。
20は2×10、さらに10は2×5、つまり、20=2×2×5 16は下の様に分解されました。 16は2×8、さらに8は2×4、つまり、16=2×2×4
このように見ると、2×2の部分が共通の最大約数であることが分かります。 では、整数が3つ以上の場合は、どうやって最大公約数を求めるかですが、
整数が2つのときと全く同じようにやっていきます。 20と16と8の最大公約数を求めましょう。 20と16と8の共通の約数で、まず2で割れるのはすぐに分かるので、2で割ります。
20は2で割って10となり、16は2で割って8となり、8は2で割って4となります。 それを下図の様に書きます。 2 ) 20 16 8
------------- 10 8 4 次に割った結果の10と8と4はさらに割れることが分かりますね。
つまり、また、2で割れるわけです。 これも、上と同じように割って、書くと下の様になります。 2 ) 20 16 8
------------- 2 ) 10 8 4 ------------- 5 4 2
次に割った結果の5と4と2ですが、4と2はさらに割れることが分かりますが、 3つとも共通した約数が1以外にありません。ここでストップになります。
左側の縦の数(割った数)を、全てかけた数が最大公約数となるので、 つまり、上の場合、2と2をかけた数、すなわち2×2=4となり、
4が最大公約数となります。 上の式から、20と16と8は、以下の形になることがわかりますね。 20は下の様に分解されました。
20は2×10、さらに10は2×5、つまり、20=2×2×5 16は下の様に分解されました。 16は2×8、さらに8は2×4、さらに4は2×2、つまり、16=2×2×4
8は下の様に分解されました。 8は2×4、さらに4は2×2、つまり、8=2×2×2 このように見ると、2×2の部分が共通の最大公約数であることが分かります。
最小公倍数の説明をします。 例えば、Aという正の整数と、Bという正の整数があった場合、AとBの共通の倍数を 公倍数と言い、公倍数の中で、最小の公倍数(正の整数)を最小公倍数と言います。
では、2つの整数、2と4で、最小公倍数の例を見ましょう! 2と4の公倍数(正の整数だけ)をいくつか求めます。整数4から順番に、
公倍数かどうか調べていきましょう。 整数 4 -> 4=2×2、4=4×1、となり、4は2と4の倍数、
つまり公倍数であることがわかります。 整数 5 -> 5=2×2.5、5=4×1.25、となり、5は2と4の倍数ではなく、
つまり公倍数ではありません。 整数 6 -> 6=2×3、6=4×1.5、となり、6は4の倍数ではなく、 つまり公倍数ではありません。
整数 7 -> 7=2×3.5、7=4×1.75、となり、7は2と4の倍数ではなく、 つまり公倍数ではありません。 整数 8 -> 8=2×4、8=4×2、となり、8は2と4の倍数、
つまり公倍数であることがわかります。 公倍数が2つ求められたので、ここでストップします。最小の公倍数を求めるわけ
なので、本当は最初の公倍数が出たところでストップしてよいわけです。 2と4の公倍数を左から小さい順に並べます。
4、8、‥ 最小公倍数は公倍数の一番小さい数ですから、最小公倍数は、4となります。
もう一度まとめると、最小公倍数とは、 「2つ以上の正の整数に、共通な倍数を公倍数と言い、その公倍数の中で、
最小の正の整数の公倍数を最小公倍数と言います」 さて、では、どうやって最小公倍数を求めるかですが、
実は最大公約数を求めるやり方を使います。 整数が2つの場合 共通して割れる数で、どんどん割っていきます。
例として、20と16の最小公倍数を求めましょう。 20と16の共通の約数(1ではない)で、まず2で割れるのはすぐに分かるので、 2で割ります。
20は2で割って10となり、16は2で割って8となります。それを下図の様に書きます。 2 ) 20 16
-------- 10 8 次に割った結果の10と8はさらに割れることが分かりますね。 つまり、また、2で割れるわけです。
これも、上と同じように割って、書くと下の様になります。 2 ) 20 16 --------- 2 ) 10 8
--------- 5 4 (←5と4の約数はない) さて、また同じように、割った結果の5と4をさらに割れる数で割ろうと思いますが、
これは、もう共通の約数が1以外にないことがわかりますね。ここでストップです。 左側の縦の数(割った数)と一番下の行のそれぞれの数をかけたものが最小公倍数と
なります。 すなわち、左側の数である2と2と、一番下の行の数である5と4をかけたもの。 (2×2)×5×4=80 最小公倍数は80となります。
( )は分かりやすくするためにつけてあるだけです。 (2×2)×5×4の内、(2×2)×5は20で、(2×2)×4は16だから、(2×2)×5×4は、
20と16の公倍数だと分かりますね。 ここで、80より、さらに小さい公倍数があるのではと、思われる人もいるかも 知れません。でも、それはありえないのです。
仮に80より、小さい公倍数があると仮定します。 仮定より、その公倍数は次のようにあらわされます。 a、bはそれぞれ正の整数とする。
まず、公倍数だから、20と16の倍数であり、かつ等しいから、 1、(2×2×5)×a=(2×2×4)×b 次に、その公倍数は80より小さいから
2、(2×2×5)×a<(2×2)×5×4 「A<B」はAはBより小さいという意味です。 3、(2×2×4)×b<(2×2)×5×4
1より、(5/4)×a=b (5/4は5÷4の意味) 2、3より、a<4、b<5 4と5は互いに約数がないので、分数の形のままです。
つまり、bが整数であるためには、aは4の倍数でなければならない。 ところが、a<4より、aは4の倍数になりえないので、bは整数になりえない。
これは、bが正の整数であるという仮定に反する。 つまり、80より小さい公倍数があると仮定すると、矛盾がおこるわけです。 この証明は本来は具体的な数値ではなく、文字を使った証明が正しいですが、
分かりやすくするため、数値のままやりました。 以上の証明は理解できなくても一向にかまいません。今後学ぶ文字式、不等式や、 証明の考え方でふれるような事です。
さて、次に整数が3つの場合の最小公倍数はどうやって求めるでしょうか? 整数が3つの場合、3つとも共通して割れる数がなくても、2つでも、
共通して割れる数があったら、どんどん割っていきます。 例として、20と16と8の最小公倍数を求めましょう。 20と16との8の共通の約数(1ではない)で、まず2で割れるのはすぐに分かるので、
2で割ります。 20は2で割って10となり、16は2で割って8となり、8は2で割って4となります。 それを下図の様に書きます。
2 ) 20 16 8 ----------- 10 8 4 次に割った結果の10と8と4はさらに割れることが分かりますね。
つまり、また、2で割れるわけです。 これも、上と同じように割って、書くと下の様になります。 2 ) 20 16 8
---------- 2 ) 10 8 4 ---------- 5 4 2
さて、また同じように、割った結果の5と4と2をさらに割れる数で割ろうと思いますが、 4と2を2で割れますが、5はどれとも、共通した約数がありません。
この場合は、5はそのまま、下に降ろし、4と2を2で割ります。 2 ) 20 16 8
---------- 2 ) 10 8 4 ---------- 2 ) 5 4 2
---------- 5 2 1 また同じように、割った結果の5と2と1をさらに割れる数で割ろうと思いますが、
5と2と1では、共通の約数は無く、また、どの2つをとっても、共通の約数は ありません。つまり、ここでストップとなります。 左側の縦の数(割った数)と一番下の行のそれぞれの数をかけたものが最小公倍数と
なります。 すなわち、左側の数である2と2と2と、一番下の行の数である5と2と1をかけたもの。 (2×2×2)×5×2×1=80 最小公倍数は80となります。
( )は分かりやすくするために、つけてあるだけです。 整数が3つ以上の最小公倍数を求めるときは、とにかく、2つ以上の数で共通した
約数があれば、どんどん割っていきます。 割れなかった数は、そのまま下に降ろしていきます。 |